ノンクラスプデンチャーは、入れ歯が目立つ原因となる左右のバネ部分を排除したタイプです。
柔軟性があることから、装着感にも優れていています。
しかし、その一方でそこまで耐久性は高くなく、破損のリスクもゼロではありません。
今回は、ノンクラスプデンチャーが破損する主なケースを解説します。
クラスプ部分の疲労と破折
ノンクラスプデンチャーの最大の特徴は、金属のバネの代わりに樹脂で歯を固定する点にあります。
しかしこの樹脂製のクラスプ部分は、着脱のたびに繰り返しかかる力や、食事の際の咀嚼圧によって常にしなりが生じています。
樹脂には疲労という性質があり、長期間の使用によって弾力性が失われ、最終的には亀裂が入ったり、根本から折れたりすることがあります。
特に素材が乾燥したり経年劣化で硬くなったりすると、折れやすさは増大します。
また一度折れてしまうと、通常の保険診療の入れ歯のように歯科医院で即日に樹脂を盛り足して修理することが難しいです。
入れ歯本体の着脱時や落下による物理的破損
ノンクラスプデンチャーは非常に薄くて軽いというメリットがありますが、その薄さゆえに、局所的に強い衝撃が加わると破損するリスクがあります。
よくある例としては、清掃時や着脱時に誤って洗面台の床や硬いタイルに落としてしまうケースが挙げられます。
金属床の入れ歯に比べて衝撃には比較的強い素材もありますが、落としどころや角度によっては、薄い縁の部分が欠けたり、本体ヒビが入ったりします。
また着脱の際に正しい指の掛け方をせず、無理な方向に力をかけて外そうとすると、本体の薄い部分に応力が集中し、パキッと割れてしまうことがあります。
不適切な洗浄や乾燥による変質と破損
素材の特性上、ノンクラスプデンチャーは水分や熱、化学薬品の影響を強く受けます。
例えば殺菌のためにと熱湯をかけてしまうと、樹脂が熱可塑性を持っているため、瞬時に変形し、適合が悪くなって使えなくなります。
また市販の洗浄剤の中には、特定の樹脂素材に対して成分が強すぎることで劣化を早め、表面の光沢を奪い、脆くさせてしまうものもあります。
さらに、ノンクラスプデンチャーを乾燥状態で長時間放置することも厳禁です。
樹脂が乾燥して脆くなると、装着時のわずかなしなりに耐えられず、小さな亀裂が生じやすくなります。
まとめ
冒頭でも少し触れたように、ノンクラスプデンチャーは入れ歯の機能性だけでなく、見た目にもこだわりたいという方におすすめです。
一方で、できる限り強度を重視したいという方にとっては、金属床の入れ歯の方が適した選択肢となることもあります。
また部分的に歯を失った場合、入れ歯だけでなくインプラントやブリッジといった選択肢もあるため、そちらも一度チェックしてみましょう。




