ハチミツはビタミンやミネラル、ポリフェノールなどさまざまな栄養素が豊富に含まれる食品です。
しかし非常に甘く粘度も高いため、虫歯になることを危惧する方もいるでしょう。
ところが、実際はハチミツを食べると虫歯予防につながります。
今回は、ハチミツの虫歯予防効果を中心に解説します。
ハチミツの虫歯予防効果
ハチミツには糖分が含まれていますが、こちらは果糖、ブドウ糖という種類です。
虫歯菌が好む糖分は、ショ糖と呼ばれるものであるため、果糖やブドウ糖を摂取してもそれほど虫歯菌が活発に動きません。
またハチミツには、過酸化水素(オキシドール)が微量ながら含まれています。
過酸化水素は、水素と酸素からなる化合物で、虫歯菌の活動を抑えてくれる役割を持っています。
そのため、虫歯を発症しにくい口内環境を整えてくれる効果があります。
ハチミツの摂取方法
虫歯予防のためにハチミツを摂取する場合は、おやつとして食後に摂取するのがおすすめです。
前述の通りハチミツの糖分はショ糖と比べて歯に良いものであり、食後に摂ることで唾液の分泌が活発になるため、さらに虫歯の予防効果は高まります。
特に寝ている間は口内が乾燥気味になり、唾液が少なくなることで、乾燥が大好きな虫歯菌が増殖しやすくなります。
寝る前にハチミツを摂ることで、保湿効果と殺菌作用で虫歯菌の活動を抑えられます。
ただしハチミツは加熱に弱く、高温になると抗菌効果が弱まります。
そのため、お茶やコーヒーに入れたり料理に加えたりする場合は、加熱しすぎないように注意が必要です。
ちなみにハチミツを摂りすぎると肥満などの悪影響を及ぼすため、1日の摂取量は大さじ2杯程度(40g)にとどめておきましょう。
赤ちゃんにはハチミツを与えてはいけない
虫歯予防効果が期待できるハチミツですが、赤ちゃんに与えてはいけません。
1歳未満の赤ちゃんがハチミツを摂取すると、乳児ボツリヌス症にかかるおそれがあります。
乳児ボツリヌス症は、弛緩性の麻痺や呼吸麻痺といった症状を引き起こす疾患です。
乳児の腸内にはボツリヌス菌を抑制する腸内細菌が少ないため、菌が増殖して毒素を酸性し、こちらの病気を発症させる可能性があります。
まとめ
ハチミツをそのまま摂取するだけで、ある程度虫歯のリスクは抑えられます。
特に食後や就寝前に摂取すれば、効率的に虫歯予防効果を得ることができます。
ただし、ハチミツだけで完全に虫歯を予防できるわけではなく、あくまで丁寧にブラッシングを行うことは前提です。
さらに、赤ちゃんに対してハチミツを与えるのは危険だということも、前もって把握しておきましょう。