銀歯は虫歯治療を受けた後の詰め物として、もっとも多く使用される素材です。
虫歯治療を受けたことのある方の多くは、口内に銀歯を装着していることでしょう。
しかし、銀歯は見た目が悪く、金属アレルギーのリスクもあります。
また、その他にもあまり知られていないデメリットがあるため、今回はこちらの点を解説します。
二次虫歯になりやすい
銀歯には、二次虫歯を発症しやすいというデメリットがあります。
二次虫歯は、詰め物や被せ物の下で虫歯が再発してしまう現象です。
見えない部分で発症するため、なかなか患者さん自身では気付くことができません。
また銀歯は天然歯とくっついていますが、こちらは接着しているわけではなく、あくまで隙間を埋めているだけです。
隙間を埋めることは、専門的には合着と呼ばれます。
そのため合着するためのセメントが少しずつ溶け出していくと、隙間が大きくなって汚れが入り込みやすくなり、二次虫歯のリスクを高めます。
寿命が短い
銀歯は金属であり、耐久性が高いイメージがありますが、寿命はそれほど長くありません。
具体的には、3~5年程度で交換しなければいけないケースがほとんどです。
確かに銀歯は耐久性が高いですが、その分噛むことによって変形していきます。
その結果、装着した当初よりも適合性が下がり、歯との間に隙間ができやすくなります。
また変形した銀歯をそのまま使用すると、噛み合わせにも影響が出てくることがあります。
そのため、3~5年で交換することが推奨されています。
ちなみにセラミックの補綴物であれば、10~15年程度は使えるケースが多いです。
治療直後に痛みが出やすい
銀歯を装着する場合、虫歯治療の直後に歯が傷みやすくなります。
こちらは銀歯に温度が伝わりやすいからです。
虫歯治療を受けたにもかかわらず、その直後に歯が痛むというケースがあります。
治療直後の歯は神経が過敏になっているため、ある程度痛みが出るのは仕方ありませんが、銀歯の場合はさらに痛みが増すことが多いです。
銀歯は熱伝導率が高く、詰め物を通して神経に熱さや冷たさが伝わりやすくなるという特徴があります。
まとめ
銀歯はポピュラーな素材ではありますが、もっとも優れている素材というわけではありません。
もちろん、症例数が多いためトラブルに対応しやすいことや、費用が安いことなどのメリットはありますが、デメリットも数多くあることを理解しておきましょう。
特に二次虫歯や治療直後の痛みを避けたり、交換の頻度を減らしたりしたい方は、虫歯治療の際に別の素材を選ぶことも検討してください。