歯の神経を抜く施術は抜髄と呼ばれ、こちらは基本的に避けるべきものです。
なぜなら、神経を抜くと歯が弱くなったり、変色したりするリスクが高まるからです。
しかし、場合によってはどうしても抜髄を選択しなければいけないときがあります。
今回は、歯の神経を抜かなければいけないケースをいくつか紹介します。
何もしていないのに痛みが出る
歯にもしていないにもかかわらず、ズキズキとした歯の痛みを感じる場合、歯の神経を除去しなければいけない可能性が高いです。
このような痛みは自発痛と呼ばれるものであり、歯の神経が炎症を起こしている場合は強い痛みにおそわれ、日常生活にも支障をきたすことがあります。
例えば仕事や学業における集中力が続かなかったり、睡眠不足に陥ったりといった悪影響が考えられます。
また自発痛をそのままにしていると、少しずつ痛みはなくなっていきますが、こちらは症状が改善したわけではなく神経が壊死しただけです。
歯茎から膿が出ている
歯茎から膿が出ている場合も、大半のケースでは神経を抜く治療が選択されます。
虫歯や歯周病を放置していると、歯茎の腫れや炎症がやがて神経にまで達し、歯根にまで感染を広げます。
このような段階にまでなると、歯茎から膿が出ることがあります。
また膿を放置していると、強い口臭を放ったり、全身に影響を及ぼしたりすることが考えられます。
ここでいう全身への影響とは、心臓病や糖尿病、動脈硬化症などの全身疾患のことを指しています。
そのため、あらゆる症状が併発する前に歯科クリニックを訪れ、適切な治療を受けなければいけません。
頬やリンパ腺が腫れる
頬やリンパ腺に明らかな腫れが見られる場合も、神経を抜く必要があります。
このような症状が出ている場合、歯の神経部分にとどまらず、顎の骨まで炎症が広がっている可能性が高いからです。
神経を抜く処置を行えば、感染源を取り除くことになるため、広がった炎症を抑制できます。
ちなみに首のリンパ節が腫れている場合、虫歯や歯周病だけでなく、咽頭炎や扁桃炎など別の疾患を患っていることも考えられます。
まとめ
冒頭でも触れたように、歯の神経はなるべく除去しないことが望ましいです。
しかし抜髄でなければ歯列が崩壊したり、全身疾患につながったりするケースでは、そのようなことも言っていられません。
そのため、普段からセルフケアとプロフェッショナルケアを欠かさずに行い、歯の神経を除去しなければいけない状況を防ぐことが大切です。
セルフケアだけでは、虫歯や歯周病を未然に防ぐのは難しいです。