歯周病は、さまざまな全身疾患と関係していることで知られています。
代表的なのは相互関係のある糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎といった疾患です。
また歯周病は、抜け毛の原因になることもあると言われています。
今回は、歯周病と抜け毛の関連性について解説します。
歯周病と抜け毛の関係性
歯周病の症状は口内だけの問題にとどまらず、歯周病菌やそれによって引き起こされる炎症性物質が血流に乗り、全身に広がる可能性があります。
またこのような慢性的な炎症が、円形脱毛症やAGAを含む脱毛症の発症に関与しているという報告があります。
円形脱毛症は、免疫細胞が誤って毛根を攻撃してしまうもので、円形や楕円形の境界がはっきりした脱毛斑が局所的かつ短期間で現れるのが特徴です。
年齢や性別に関係なく、誰にでも起こり得ます。
AGAは、男性型脱毛症とも呼ばれるもので、生え際や頭頂部から始まり、徐々に薄毛が進行していくというものです。
血行不良やホルモンバランスも影響を与える
歯周病の炎症が血管にダメージを与えると、髪の毛の成長に必要な栄養や酸素が毛根に届きにくくなります。
これにより、髪が弱くなって抜け毛が増える可能性があります。
また、歯周病が全身のホルモンバランスに影響を及ぼす可能性も示唆されていて、こちらも脱毛の一因になると考えられています。
さらに、口内の細菌バランスの乱れが、全身の健康だけでなく髪の健康にも影響を与える可能性が指摘されています。
歯周病による抜け毛を防ぐには?
歯周病から来る抜け毛を防ぐには、まず適切な歯周病治療を受けなければいけません。
治療を受けて歯茎の炎症が治まることで、抜け毛も解消される可能性があります。
またバランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理など、健康的な生活習慣は口内の健康と頭皮の健康の両方に良い影響を与えます。
ちなみに、歯周病治療や生活習慣の改善を行っても抜け毛が見られるという場合、自己判断せずに専門の医療機関で相談することをおすすめします。
抜け毛や薄毛の原因は多岐にわたるため、歯科クリニックではなく皮膚科やAGAクリニックなどの力を借りることも必要です。
まとめ
歯周病が原因で抜け毛が起こることは、そこまで症例として多いわけではありません。
しかし、歯周病が引き起こす弊害として、抜け毛があるということは頭に入れておくべきです。
また抜け毛が起こっている場合、歯周病は原因の一つに過ぎず、その他の原因が非常に大きい場合もあります。
そのため、まずは専門の医療機関に相談し、どのような疾患で抜け毛が起きているのかを明確にすることが大切です。




