虫歯予防を行うにあたっては、単純に歯磨き粉やマウスウォッシュなどを使用するだけでなく、配合されている成分にも注目することが望ましいです。
また注目したい成分の一つに、ハイドロキシアパタイトというものがあります。
今回は、ハイドロキシアパタイトの概要やメリットなどについて解説します。
ハイドロキシアパタイトの概要
ハイドロキシアパタイトは、骨や歯の主成分であるリン酸カルシウムの一種です。
医療分野での人工骨や人工歯根、歯科材料としてのインプラントコーティング、健康食品や化粧品などに広く使用されています。
また歯磨き粉などのオーラルケア製品にも含まれていて、こちらを摂取することで虫歯予防効果が期待できます。
ハイドロキシアパタイトのメリット
ハイドロキシアパタイトは、歯や骨の主成分とまったく同じであるため、生体との親和性が非常に高く、誤って飲み込んでしまっても安全性が高いです。
またハイドロキシアパタイトは、歯の表面の眼に見えないミクロの傷を埋め、初期虫歯の再石灰化を助ける効果があります。
これにより、歯質が強化されて虫歯予防につながります。
さらに歯と同じくらいの硬さであるため、歯磨き粉の研磨剤として使用しても、歯のエナメル質を傷つけにくいです。
ちなみに歯の表面の傷や象牙細管を埋めることで、知覚過敏を和らげたり、凸凹がなくなって汚れが付きにくくなり、歯本来の自然な白さが増したりすることもメリットです。
ハイドロキシアパタイトの注意点
フッ素が比較的短時間で歯のエナメル質を硬くするのに対し、ハイドロキシアパタイトによる歯質の修復や強化は、効果が出るまでに時間がかかります。
またハイドロキシアパタイトは非常に硬い成分ではありますが、酸には弱いという性質があります。
そのため、ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉などを使用しても、その後口内が酸性に傾くと効果は大幅に軽減します。
さらに、高品質なナノ粒子ハイドロキシアパタイトを使用した製品は、一般的な歯磨き粉よりも価格が高くなることがあります。
コストパフォーマンスも考えるのであれば、フッ素との併用も検討しなければいけません。
まとめ
あまり聞き慣れない方も多いハイドロキシアパタイトですが、こちらはまったく危険な成分ではありません。
むしろ絶対的な生体親和性があることが、ハイドロキシアパタイトのメリットだと言えます。
また虫歯予防効果も期待できますが、そこまで即効性のある成分ではないため、フッ素やキシリトールなど別の成分の有無も加味してデンタルケア製品を選ぶべきだと言えます。




