虫歯予防の原則としては、“虫歯菌を減らす”、“虫歯になりやすい時間を減らす”、“歯を強くする”の3つが挙げられます。
またこれらを実践するには、ブラッシングだけでなく食生活の改善も必要不可欠です。
今回は、虫歯予防として魚を摂取することのメリット・デメリットを解説します。
虫歯予防として魚を摂取するメリット
青魚に含まれるEPAやDHAには、歯周病の原因となる慢性的な炎症を抑制する強い作用があります。
虫歯を発症した場合も、同じように歯茎が腫れることがありますが、青魚を摂取すれば歯茎の健康維持につながります。
また魚に多く含まれるカルシウムは、骨や歯の主要な構成成分です。
特にししゃもや小魚など、魚を骨ごと食べることで効率良く摂取できます。
さらにサケなどに多く含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、歯や骨を強く保ちます。
ちなみに、魚を食べることは咀嚼力の維持にも良い影響を与えます。
肉類とともに、顎の骨や筋肉を適切に使うため、噛む力を維持できるようになります。
噛む力が維持できれば、年齢を重ねても食事の選択肢が多くなり、認知症などのリスクも低下します。
十分な栄養の摂取と認知症の防止は、すなわち寿命が延びることにつながります。
虫歯予防として魚を摂取するデメリット
魚の摂取自体が、歯の健康に直接的な悪影響を及ぼすことはほとんどありませんが、食べ方や種類によっては注意点があります。
骨が多い魚や硬い皮は、食べ方によっては歯茎や口内に刺さったり、傷つけたりするおそれがあります。
特に、小さな子どもやお年寄りは注意が必要です。
またマグロなどの一部の大型魚には、食物連鎖を通じてメチル水銀が含まれている可能性があります。
メチル水銀は、有機水銀化合物というものであり、神経系に毒性を示す物質です。
そのため、場合によっては運動失調や視野狭窄、感覚障害などを引き起こすことが考えられます。
特に、妊娠中の女性は摂取量に注意しなければいけません。
ただし、一般的なサバやイワシといった青魚は、メチル水銀濃度が低く心配は少ないとされています。
よほど大量に摂取しない限り、前述したような症状は起こりません。
まとめ
魚はタンパク質が豊富であることや、生活習慣病の予防に役立つこと、免疫力が向上することなど、さまざまな健康効果があります。
その上虫歯や歯周病予防効果も期待できるため、ぜひ日頃の食事には採り入れていただきたいと思います。
もちろん、多方面から予防歯科に取り組むのであれば、魚だけでなく肉や野菜、果物などもバランス良く摂取しなければいけません。




