歯をブラッシングする際に使用されるアイテムと言えば、一般的なのは歯ブラシと歯磨き粉です。
またより丁寧なケアをする際にはデンタルフロス、歯間ブラシなどが使用されますが、塩を使ったブラッシング方法というものも存在します。
今回は、塩でブラッシングをするメリット・デメリットについて解説します。
塩でのブラッシングの方法
塩を使って口内ケアを行い際は、まず適量の塩を歯ブラシの毛先に直接つけます。
または指に少量の塩を取り、口の中で塩が溶けるのを待ちます。
その後、歯ブラシの毛先もしくは指を使用し、歯や歯茎を優しくブラッシングまたはマッサージします。
最後に、水またはぬるま湯で口内をしっかりすすいだら完了です。
塩でブラッシングをするメリット
塩を使ってブラッシングをするメリットとしては、まず唾液の分泌が促進されることが挙げられます。
唾液には歯の再石灰化を促す働きがあり、口内が酸性に傾いて一時的に溶けてしまった歯を元に戻してくれます。
また塩の結晶には、歯の表面の汚れを直接的に除去してくれる効果もあります。
さらに塩の浸透圧により、歯茎の老廃物が排出され、一時的に引き締まったように感じられることもあります。
つまり、塩でのブラッシングには、虫歯だけでなく歯周病を予防できる可能性もあるということです。
ちなみにブラッシングではありませんが、塩水を使用して口内を洗浄するという方法については、歯科クリニックでの虫歯治療後に採用されることもあります。
塩でブラッシングをするデメリット
歯科クリニックでは、塩水で口内を洗い流すことはあっても、塩でブラッシングをすることはありません。
なぜなら、こちらの方法は歯科クリニックが推奨しない方法だからです。
確かにある程度の虫歯予防効果は期待できますが、塩の結晶は硬く粒子が粗いため、ブラッシングに使用すると歯のエナメル質や歯茎を傷つけてしまうおそれがあります。
また口腔粘膜から塩分が吸収され、塩分過多になるリスクもあります。
さらに現代の歯磨き粉と比べて、塩単体の虫歯・歯周病予防効果は決して明確ではありません。
あくまで“予防できる可能性がある”というものであり、持続性も低いとされています。
まとめ
塩を使用したブラッシングは、粒が小さな塩で時々行う程度であれば、虫歯予防の一環としては悪くないと言えます。
しかし粒の大きな塩を使ったり、毎日のように塩でブラッシングをしたりすると、かえって口内環境は悪くなってしまう可能性があります。
もし塩を使ったブラッシングについて気になるのであれば、歯科医師にその効果やリスクなどについて詳しく質問しましょう。